フジファブリックについて


一昨日雪が降った。

と言っても、その日はわたしは外に出なかったから窓から覗いただけだったんだけど、それでも少し、興奮した。


ついに東京にも冬がやってきた。

冬は、どんな季節よりも長く感じる。実際期間も他の季節よりは少しばかり長いっていうのもあるけれど、気持ち的にすごく長い。

明るい時間がどんどん短くなって夜が長くなるように思って、なんとなく切ない気持ちになる。

そうでなくても、12月は私にとって悲しい季節だから、多分いつもより少し息苦しい。


クリスマスまでもう1ヶ月。

いつからか、クリスマスイブの日は一年で一番悲しい日に変わってしまった。


私は、志村さんが亡くなってからフジファブリックを知った人間で、最初は亡くなっていることすら知らなかった。

当時中学生で、ちょうど私はバンドとかロックにはまってて、塾の仲いい先輩にいろんなアーティストの入ったUSBを貸してもらって、その中の一つがフジファブリックだった。


上手くは言えないけど、私が今まで出会ったことのない音楽で、こんな世界もあるんだって思って面白くて、そうやって聞けば聞くほどはまっていった。

それからYouTubeとかでフジの曲を色々聞いたりTSUTAYAで借りてきたり。どんどんフジのことを好きになっていって、そしたらもちろんフジのことを知りたくなって、なんとなくウィキペディアを覗いたんだよね。



そこではじめてボーカルが亡くなっている事実を知った。


あの時は正直意味がわからなかった。13歳とかだったから自分の身の回りで死というものに関わる機会すらなくって、もちろん学校で戦争について勉強したりドラマとか映画とか小説とか、創作物でそういう描写があるものとは触れ合ったことがあるけど、実際に自分の世界の中で死に直接関わったことがなかったんだ。本当に。


だからよく、わからなくて。

でもそれはまぎれもない現実で、自分の人生の中で初めて喪失感というものを味わったときだった。

そしてそれと同時に、どうしようもない後悔にも襲われて。

もっと早くフジのこと知ってたかったって、今更言ったってどうにもならないのに。



でもね本当に一度でいいから生で彼の声を聞きたかったって思うよ。

同じ時代に生まれたんだから。


でももちろん、そのことを知ってからもどんどんフジのことを好きになっていくし、今は他のどのバンドよりどのアーティストより、フジの音楽が一番好き。もちろんメンバーも。志村も。


あれからクリスマスイブは一年で一番悲しい日になってしまったけど、私が考えたところであの日何があったのかなんてわかりっこない。

今でもちゃんと受け入れられているのかわからないけど、私が彼らの曲を愛していることは何も変わらないんだ。

いつか私も彼と同い年になって、彼より大人になっていく。それでも、いつまでも彼の作り出した音楽と一緒に歩んでいけたらいいなと思う。


あなたの命日が来ると、私は一年の終わりを感じます。

元気に酒でも飲んでんのかな〜